大豆の脱皮
白味噌では大豆の薄皮をすべて脱皮することが理想です。キメ細かく白味噌を仕上げることも重要ですが、それよりも残った皮が白味噌を熟成する際に赤黒く変色し、色がさえない白味噌になるのを避けることが主な目的です。通常のお味噌では特別な理由がない限り脱皮はしないのが普通です。
写真(中)が脱皮後の大豆の様子です。大豆がきれいに半分に割れ表面の艶感が無くなっていれば上手く脱皮ができています。それに対して写真(下)は脱皮前の大豆です。脱皮前は艶があり丸型です。脱皮が上手くいっていない時は脱皮機を通った大豆の中にそれが多く混ざってきます。
九重味噌で使う大豆は主に滋賀県産、北海道産です。粒が大きい、よく乾燥している大豆が脱皮しやすい大豆です。逆に言えば小粒で感想が十分でない新大豆は脱皮がしにくく白味噌には向きません。
一般に大粒になれば価格は高くなるので、大粒を好む白味噌は高価で、脱皮をしない普通の味噌は小粒大豆でも使えるので安価になります。
実際の作業
商品によりますが、140~180㎏の大豆を約1時間かけて脱皮します。脱皮機の調整は大豆を流す速さ、出口の速さ、歯と臼の距離で行います。
脱皮はよく剥けていないと白味噌の皮が残り冴えない色の原因になりますが、脱皮しすぎると皮以外の身の部分も砕けて損失するので白味噌の仕上がり量が減ったり、塩分も変わってしまいます。脱皮機を通った大豆のよく観察して丁度良い調整をすることが大切です。