手に取ったパッケージだけじゃ解らない!
おすすめ甘酒の選び方を伝授
昨年から空前の甘酒ブームが来てます。大きなショッピングモールに行っても、地元の小さいスーパーに行っても必ず甘酒が置いてあります。
ブームとは怖いものですね。以前は甘酒は2~3種類が陳列されていれば良い方だったのが、今や多いところでは10種類以上の甘酒が売られているところも!酒造、味噌、食品などの大手メーカも参入する激戦になってます。
消費者としては甘酒の選び方に困ってしまいます。
得する甘酒の選び方をご紹介です。
甘酒のいろいろ、実際の商品を見てみる
たくさん種類を扱っているスーパーに甘酒を見に行ってきました。ざっと10種類はあります。半年ほど前は地元の酒造会社の商品もあったのでもっと多種類の甘酒がありました。
甘酒の選び方 容器で選ぶ
瓶入りの甘酒が主流です。酒造メーカーは主に瓶が多いですが、次いで缶入り、味噌大手M社さんは紙パックです。レトルトパウチなどなど。
なぜ、瓶入り甘酒が多いのか?ご存知でしょうか。
甘酒は賞味期限が長い食品ではありません。一般家庭で米麹から作った甘酒の日持ちは要冷蔵でも1週間ほどです。売り出すために賞味期限が1週間では話になりません。そこで火入れ加熱処理することで日持ちがぐっと良くなり6ヶ月以上ぐらいになります。
瓶に充填した甘酒を瓶ごと加熱してから密封します。瓶入りのジャムと同じで酒造会社はこういったことが得意です。
紙パックはどうなっているのか解りません。
どの包装方法でも共通して言えるのが、必ず火入れ加熱処理しているので賞味が長いです。
火入れすることで麹菌を殺し、麹菌が持っていた酵素のチカラを止めて異常発酵を止めてやります。パッケージに包装して市販することができるようになります。
ただし、甘酒の酵素、麹菌やビタミン類などの栄養が失われますので、栄養を重視されるなら無加熱の甘酒を選びます。
話がそれましたが、
私は瓶入りは捨てるときに手間だと思います。毎日健康のために定期的に甘酒を飲まれるなら瓶ゴミの日までに空瓶がたまってきますし、沢山の空瓶を捨てに行くのは重いですから瓶以外の包装容器がいいです。
甘酒の選び方 原材料を見る
甘酒の原材料を見るとその商品がどういったものなのか、大まかに知ることができます。さっそく見てみましょう。
ん!砂糖!?
原材料の一番最初に砂糖が登場します。その後に続くのは酒粕。甘酒は「米麹から作る甘酒」と「酒粕から作る甘酒」があります。
前者は甘く、後者は酒粕から作られるので甘くないので砂糖など甘味料が足されるのが一般的です。どちらの甘酒も販売コーナーで混同してて販売されています。ラベルだけ見てもどちらの甘酒か判断できない場合もありますのでご注意を。
しかし、砂糖が一番に来るのはどうなのでしょうか。原材料は配合比が高いものから表示するので砂糖水を飲んでいる様な感じを受けます。
「米麹から作る甘酒」を選ぶなら原材料は、米・米麹だけのものを選ぶといいでしょう。甘酒を作るのに砂糖などの甘味料は必要ありません。本来は甘味料を入れなくても甘くなるのが甘酒です。
米・米麹だけで美味しい商品を選ぶことが、おのずと丁寧に作られている甘酒だと言えます。
甘酒の選び方 ストレート or 濃縮
主流はストレートの甘酒ですが、中には薄めて飲む濃縮タイプの甘酒があります。一長一短ありますので考えてみます。
そのまま飲める手軽さが最大のメリットです。早いです。
コップに入れて飲む容量の多いもや、1回で飲みきる一食用もあります。レンジや湯煎で温めて飲むことができます。
一食用の甘酒は温め方も手軽ですしコップを用意しなくてもいい、かつ保存もしやすく衛生的です。ただし、ゴミが増えます。毎日飲む方には不向きな場合もあります。
食べ方の自由度は低いです。飲むだけ。
薄める手間があります。お水で割る場合は水道水では美味しくありません。加熱する場合は水道水でも可。
最大のメリットは食べ方の自由度が高いです。
飲む場合はジュースで割ったり豆乳で割ったりと甘酒をアレンジすることができるので飽きが来ないです。他には毎朝ヨーグルトにかけたり、お料理の甘味料として加えたり、魚などの漬け料理にも使えます。
濃縮でも商品によって多少違いがあります。薄めるだけでも飲める甘酒、薄めて加熱が必要などなどありますが、共通して言えるのは味を美味しく飲むことを重視されるなら一度加熱した方が美味しいです。
あと濃縮なのでゴミは少なくて済みます。
甘酒の選び方 米麹の製法で選ぶ
甘酒の製法で大きな差が出るのが米麹の作り方です。
米麹は蒸した米に「もやし」と呼ばれる麹菌をふりかけて、麹菌を繁殖させて作ります。完成した米麹に「おかゆ」と水を加えて品温55℃を8時間以上保ち糖化させたものが甘酒です。
これから述べる米麹の製法は、甘酒の食品表示には載ってきません。また表のパッケージラベルをご覧いただいても一般の方には解らないかもしれません。
文字通り機械でつくる米麹です。甘酒に限らず、酒、味噌、みりん、全ての米麹を使った食品は機械製造が圧倒的に主流です。
大量に作れて人件費もかからない、ほぼ自動化されています。蒸米に麹菌をつけてから機械が熱風や冷風をあてて品温を制御して作ります。小さな機械でも一度に数百kgの米麹が作れて人の手も必要ないので非常に効率がよく、甘酒の価格も低く抑えることができます。
難しいそうな言葉ですが、簡単に言うと「手作り」です。
米麹を作る方法の一つですが、麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる木製の箱に米麹を小分けにして作る方法です。まとまった量を製造するには専用の部屋のスペースと、麹蓋、あと作業する人が数人必要です。
なので圧倒的に効率が悪いのです。
機械製麹と違うのは熱風、冷風を一切使わないこと。機械は米麹自体の温度を強制的に変えていますが、手作りでは米麹が成長するにつれて発生する自然の熱を室温や麹蓋の組み方(置き方)を変えて適温に保ちます。米麹自体を直接に加熱したり冷却するのではなく、成長に合わせて米麹の居る環境を変えて成長を促す方法です。
「同じ米麹なら機械でいいのでは?」
そうとは言えません。手間のかかる「手作り」が今現在でも生き残っているのは、機械よりも断然に仕上りが良い米麹が作れるからです。
今でも本当にこだわった大吟醸酒は手作りで米麹が作られています。大吟醸と言っても規模の大きな大手は機械製麹です。本当にこだわりをもって作っている小さな酒蔵や味噌屋が手作りを続けています。
話がだいぶ横道にそれましたが、
美味しい甘酒を選ぶなら「手作り」の方が美味しい確率は高いと思います。使用されている米のブランドよりも製法を重視する方がいいです。ただ、上記のことは食品表示には書かれておらずパッケージのラベルを見て判断したり、甘酒を作っている会社のホームページなどで知ることができます。
ただし、機械製麹は当たり前で一般化されています。消費者に対する商品価値を上げる情報ではないので詳細は書かれていません。
甘酒の選び方 価格
幾つかのスーパーを見てきて甘酒の価格を見てきました。安いに越したことはありませんが、安いだけではなくコストパフォーマンスがいい甘酒の選び方を考えました。
価格の幅 100gあたり、52~172円(税込)
ピンからキリまで価格の幅がずいぶんあるようです。売場にあったのはストレートの甘酒だけでした。
大手酒造メーカーの甘酒は52円~68円ぐらい、大手味噌メーカーはちょっと高めで110円でした。大企業の甘酒でもこれだけ価格差があると注意して選ばなければなりません。一食飲みきりタイプが多いです。
地元の酒造メーカーなどは105円~140円ぐらい。大手に比べるとやはり割高感は否めませんが、酒米を使っているなど特徴を打ち出している甘酒が多いです。全て瓶入りでした。
その他、柚子などの柑橘のフレーバー系甘酒は瓶容器ということもあってか200円以上とずいぶん高くなります。
製造ラインの整備・包装容器・中間マージンなどがあり一概には言えませんが、買うのは一般のお客さんですので手に入る価格を重視して中身だけの値段として考えると、ストレートの甘酒で100円以上するのは高いと感じます。
実際に中身は「米と水」しか使っていません。米の値段はみな様よくご存じだと思います。時間と手間にコストをかけた甘酒が一番だと思います。
九重味噌の甘酒を考える
結局、九重味噌の甘酒をおススメする記事になってしまいますが、
麹蓋(こうじぶた)を使った手作りの米麹だけを使った全麹の甘酒。加熱していないのでビタミン類や酵素が生きている生甘酒です。飲む甘酒を作るには倍に薄めます。美味しさを優先するなら沸騰しない程度に加熱するとさらに美味しく。
手作りなので人件費のコストがかかりますが、お客さまへ直接販売しかしていませんので中間マージンや包装容器代がほぼ必要ないので、こだわりの甘酒をお手軽価格でお届けできます。
と、おススメしていますが、他の大手メーカーの一食飲みキリの甘酒も使い勝手が良くて非常に便利です。召し上がられるスタイルや価格に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
一次のブームだけに終わらず、美味しく手軽に食べれる健康食品として味噌と同じく、多くの人の生活に浸透するよう願っています。