米麹の手入れ
米麹盛りの約3時間後に麹蓋の積替えをします。これは下段と上段の米麹では品温に差が出るため上下を入れ替える作業です。そのさらに3時間後に米麹の手入れを行います。
麹盛り直後は品温35℃前後だったものが午後2時ごろには42~48℃に上昇しいます。このままでは麹の成長にブレーキがかかってしまうので、手入れをすることで再び品温を下げて更に麹菌を成長させる工程です。
具体的には山状に入れられた米麹を手で撹拌し麹蓋の面積いっぱいに均一な厚みで広げていく作業を、150枚の麹蓋すべてしてゆきます。
山状の米麹を温度が均等になるように十分に撹拌したあと、麹蓋いっぱいに広げ、最後に米麹に波模様をつけて表面積を広げて効率よく放熱するようにします。
手入れの終わった麹蓋は、それぞれの麹蓋の品温に合わせて互い違いに交互にずらし隙間を開けるように積んでゆきます。そうすることで米麹の熱気の逃道になり適度に放熱するように調整します。
どの麹蓋の麹も品温がそれぞれに違うので、以降の経過を予測して適度なずらし幅を考えながら素早く作業していきます。熟練者でも150枚の手入れを終えるのに約1時間。初心者なら2時間弱かかる経験と技が必要な工程です。
すべての麹蓋の手入れが終わった後は、米麹の品温に注意しながら室の湿度を調整したり、冷えすぎ熱すぎの麹蓋はずらし幅も変えて調整します。時間が経ち成長が進むと湿度はどんどん上がり米麹の品温は42℃に達します。調整は最低でも夜11時まで目が離せず、品温がなかなか上がってこない場合ははさらに子守を延長します。翌日、出麹となります。
手作りの麹蓋製麹は一枚一枚の麹蓋に細やかな調整ができるので最高の米麹ができます。機械製麹の場合は一度に大量の米麹を作るので細かな調整ができない。全体としてまずまず平均のとれた米麹を効率よく作るという印象です。