スーパーに買い物に訪れたときは、職業病からかフラフラと味噌コーナーに行って物色するのが習慣になっています。自社の白味噌を置いて頂いているところは品質チェックも兼ねてます。
その時、味噌屋稼業をしている私が何を見ているのか。
一般の方が見てもわかる白味噌を購入するとき、外装パッケージを見てすぐに分かる選び方のポイントをお話ししていきます。ネット購入をする場合でも有効なので是非ご一読ください。
白味噌とは、
まずは白味噌について定義をはっきりとさせておく必要があります。ここでは関西でいう白味噌(甘味噌)を取り上げますので、信州味噌系の白味噌と混同しないように注意です。
今回は白味噌のパッケージ外装を見て判断できる選び方のポイントについての記事なので、白味噌自体の説明については以下を参照してください。
白味噌の選び方、外装の表示でチェックするべきポイント
先ず最初に見るべきは、消費者に最も分かりやすいのが食品一括表示です。
表示内容が法律でしっかり定められていて、どの食品商品も一定のルールに沿って表示されているいます。
なので、表示ルールと、食品自体の特徴(例えば味噌)の2つを知ることで見えてくるものがあります。特に味噌は単純なので簡単に覚えられると思います。
冒頭のアイキャッチ画像は弊社の「並・白味噌」の原材料表示です。例にとって見ていくと分かりやすいです。
原材料で配合が分かる
原材料表示は、原材料の重量割合が高い物から順番に並べられている。
これは流石にご存じの方が多いと思います。原材料の中で一番多い材料が先頭になり、2番、3番…と続きます。この順序の中に添加物は含まれません。添加物は原材料の最後に「/」の後にまとめて表示されます。後述します。
例の原材料表示も1番先頭には「米」が来ています。
白味噌の原材料で見るべきポイントは
白味噌は麹歩合20など高いことが特徴なので、当然ですが原材料の1位に来るはずです。詳細な麹歩合といった配合比率まではわかりませんが、
信州味噌などの関西白味噌(甘味噌)ではない白味噌と呼ばれている味噌と区別するポイントになります。
信州系の白味噌ならば「大豆」が1位に来ていることが多いです。必ずというわけではありませんが、判断するポイントになります。
原料の産地が分かる
原材料重量割合で1位の材料は産地の表示義務があります。
2022年4月より加工食品の原材料重量割合で1位は産地表示が義務化になります。この記事を製作中の2021年5月でも既に新表示に移行しているメーカーもあるのでチェックすると面白いです。
国産原料にこだわる方はチェックしましょう。
例の弊社白味噌の表示では「米(アメリカ産・国産)」となっています。同じ米でもブレンドされているので配合が多い順番で産地国を表示しています。
新表示移行前の表示をしていたとしても、白味噌・味噌で国産原料を使用しているのは大きなアピールポイントなのでパッケージの正面に謳われていることが多いです。
実は日本のお味噌の生産のうち、おそらく90%が米・大豆いずれかが外国産原料です。
「/」の後ろには添加物
原材料の最後尾に「/(スラッシュ)」で区切りた後ろ側は添加物になります。
例の表示も「/酒精」となっています。この場合は酒精が添加物になります。
こちらはすでに表示義務化が完了しているので、どの食品も共通です。主に白味噌に使われている食品添加物について簡単に見ていきます。
酒精
95%以上などの高度数のアルコール。白味噌の発酵止めが目的で使用されます。発酵食品では最も一般的な添加物で、健康への悪影響もない。発酵止めしないと発酵ガスが発生して包装袋がパンパンに風船のように膨れて、最悪の場合は破裂します。
ソルビン酸K
こちらも防腐、発酵止めが目的の添加物で味噌にも使用されています。ただ最近は使っている白味噌・味噌は見かけなくなりました。
酒精でも代用が十分効くので、あえて使用する必要もないかと思います。
ソルビン酸カリウムは、単体でも危険性があると言われていますが、他の食品添加物との組み合わせにより、発がん性が指摘されています。
https://news.whitefood.co.jp/news/tenkabutsu/8427/
ビタミンB2
白味噌ではよく使われる添加物です。
「味噌汁でビタミンも一緒に取れてラッキー」ではありません。こちらは着色料として使われます。自然なクリーム色(とはいえ不自然)を出すために使用されています。
栄養強化の側面もありますが、合成着色料になるので基本は入っていないに越したことはありません。危険度は低いと思います。
次亜硫酸ナトリウム
漂白剤です。白味噌では大豆を白く淡色に炊き上げるために使用する。ビタミンB2と合わせて使用することで綺麗な淡色の味噌に仕上がる。
美しい淡色の白味噌とはいいますが、こういった添加物は使用していない弊社から見ると不自然に綺麗で、ビタミンB2の加減から不自然にどぎつき黄色に見えます。
SO2の残存量が10ppm(0.1mg%)以下の場合は加工助剤とみなされる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/86/10/86_10_759/_pdf
加工助剤と扱われるレベルまで製品中の残留量が少なくなると原材料表示には表示されない。
実際はそこまで減らせることができるのか不明ですが、表示されていない場合、心配であればメーカーに問い合わせるしかありません。
塩分が分かる
商品への栄養成分表示が義務となっています。表示項目は以下
白味噌の選び方のポイントとしては「食塩相当量」を見ます。
普段使いの味噌汁ようの味噌なら塩分10~13%ぐらいです。白味噌の場合は塩分5%前後で表示されているはずです。信州系白味噌の場合は塩分が前者のように塩分が高いはずなので、関西でいう白味噌(甘味噌)をお買求めの場合は前述の「原材料1位に米」とこの「塩分5%前後」を確認すると間違うことはほぼありません。
賞味期限から製造日を予測
業界的に白味噌の賞味期限は4~5ヵ月なので逆算すればおおよその製造日が分かります。新しい物を選びましょう。
特に夏場はお味噌の売れ行きが悪い季節です。それにも増して白味噌は特に動きが悪くなるので長期在庫になりやすい。なので夏終わりから秋口にかけては長期在庫の陳列が多くなる可能性があります。
白味噌の色はどうか?
賞味期限の話とかぶりますが、長期在庫になれば白味噌の色は淡色ではなく、イメージとしては黄色といった色に変色していきます。同じ陳列棚でも色の濃い物、淡い物がないかチェックするといいです。
異常に鮮やかな色
前述の添加物の話とかぶりますが、異常に鮮やかな淡色の白味噌は添加物が盛りだくさんの場合もありますので、選ぶさいに気になる方は原材料表示のビタミンB2、次亜硫酸ナトリウムをチェックしましょう。
外装に異常はないか、膨れていないか?
単純な話ですが見た目に商品に異常がないか、意外と見落としがちですが最低限の選ぶポイントです。
特に夏場に多いですが陳列環境がどうしても悪くなる季節なので、賞味期限内であっても白味噌が異常発酵(再発酵)して炭酸ガスが発生し、パッケージが膨れかけている商品を目にすることがあります。
白味噌の回転が悪い夏場や、長期在庫品にしばしばみられますので、あまり味噌コーナー動いていないなぁと感じるスーパーでは、しっかり商品を手に取って注視してください。
ここまで新しい白味噌を買うためのポイントをおすすめしてきましたが、実は白味噌は古いほうが美味しい。興味のある方はこちらへ
水飴が入っていない白味噌が欲しい人へ
本来、白味噌は「米麹・大豆・塩」だけで十分に甘く仕上げることができます。大手メーカーの白味噌も水飴を使わなくても甘いはずなのですが、より安定した甘味と艶照りを出すために大半の白味噌で水飴などの甘みが使われています。
例え水飴が使用されていたとしても、白味噌の風味であったり、米麹由来の甘みが十分含まれていれば、違和感少なく美味しいと思います。
石野味噌さんが水飴を使用されていないと記憶しています。。しかし白味噌らしい甘味が足りません。甘さ控えめが好みの方にはおすすめ。
最後に、
この記事の内容、「白味噌の選び方でおススメのポイント」は商品のパッケージ外装と食品一括表示で確認できるものばかりです。
ネット販売では実際に白味噌を手にっとって見ることはできません。以前よりかは実際の商品にある食品一括表示が販売ページに掲載されているサイトも多くなってきました。ざっと見た感じでは楽天が表示がしっかりている印象、Amazonは商品によりまちまちといった感じです。
ご参考になれば幸いです。