味噌は「色の違い」、「味の違い」、「麹の種類」の3つの見方で分類することができます。その中の「色の違いの」のお話です。
- 白味噌(西京味噌)
- 仙台味噌など
- 八丁味噌
白味噌はクリーム色で主に関西から西の地方、瀬戸内まで作られています。次に信州味噌に代表される黄色みがやや強く白色にも違いことから信州白味噌とも呼ばれます。それよりも濃い色の仙台味噌や江戸味噌は赤味噌と呼ばれ赤黒い色をしています。あとは愛知県の八丁味噌です。これは全くの黒色です。八丁味噌は例外ですが、東北地方に向かうほど味噌の色は濃くなっていきます。
こういった色の濃淡の違いは、発酵時の「メイラード反応」が原因です。メイラード反応とは原料の大豆などのアミノ酸と、同じく原料の「糖」が反応して褐色に変化していく「褐変」とも言われています。この反応が十分進んでいる味噌ほど赤く褐色しています。
色の違いは製造方法の違い
白味噌はクリームの様な卵色に仕上げることが美味しく見せる要素になってきます。そこでメイラード反応をできるだけ抑える工夫が白味噌ではされています。逆に赤味噌ではメイラード反応が促進されているものが良く、長期熟成で大豆の処理もしないのが普通です。もともと目指す品質が全く違い、色の違いになります。
白味噌独自の製法
メイラード反応は「糖とアミノ酸の反応」そして、高温、長時間も促進の原因になります。そこで白味噌では大豆を「蒸す」のではなく、「煮る」ことで大豆中の水溶性の糖などを煮汁とともに取り除きます。九重味噌では浸漬した水の入替を含めて数回、水の交換をしています。大豆の皮の処理も非常に重要です。
皮にも糖が含まれますので時間をかけて脱皮を行います。白味噌の熟成温度は普通の味噌に比べると高温なので、その高温が大豆の皮を赤黒く変色させてしまいます。
以上が色に関する白味噌の作り方の違いになります。他にも白味噌独特の製法がありますが、色の違いに関することは以上です。完成した白味噌を保存する場合も高温は色を変化させてしまします。冷蔵庫で保存しましょう。