床に引込む
種切の終わった米を、米麹を作る専用の部屋「室(むろ)」の「床(とこ)」と呼ばれる場所へ入れていきます。これを引込みと言います。ここからが米麹作りの始まりです。それぞれの作業に名前を付けていますが、米蒸、冷却、種切、引込みは連続して行われる一つの工程になっています。
引込んだ蒸米が冷えないように室は予めヒーターで室温30℃まで上げておきます。以降も米麹作りの工程はいくつもありますが、どの工程でも適した品温を維持することが良い米麹を作るポイントです。
床には直接、蒸米を入れるのではなく清潔に消毒された布を敷き雑菌が付くのを防ぎます。製麹中の温度は約30~40℃、湿度90%以上になるので雑菌が繁殖するのにも適した環境なので衛生には非常に注意が必要です。
種切が終わった蒸米を数回に分けて素早く床に投入していきます。床が蒸米でいっぱいになったら布で覆い、断熱保温でさらに覆い品温が下がるのを防ぎます。次の床もみの作業まで3時間寝かします。