蒸米の冷却と種切
特注の釜で約1時間かけて米を蒸します。その蒸米に麹菌を付けていく作業を種切(たねきり)といいます。
種切に適した品温はこれからの作業が行われる室(むろ)の状態や、季節気温で変わってきますが一般には31~37℃と言われています。九重味噌の床は断熱が十分されていないので37℃を目標にします。
蒸釜からスコップで蒸米を掘り起して放冷機に投入していきます。蒸したての釜からサウナのように湯気が上がり、とてもきつい作業です。放冷機ではコンベアで蒸米が運ばれる間に風冷します。ファンの強さや蒸米を送る量を調整し適温に持っていきます。
コンベアの先で作業員が麹菌(もやし)を万遍なく均一にふりかけます。均一に種切できていないと完成した米麹にはぜ落ちが出たり、十分に麹になる部分とならない部分が出るなど不具合が起こりますので注意します。
ちなみに麹菌(もやし)には沢山の種類があり、それぞれ適した味噌が違います。九重味噌では長白菌という麹菌を使っています。これは糖化力が強く白味噌、甘酒に適しています。赤味噌・田舎味噌にも長白菌を使っておりますが味は優しい甘みのあるお味噌が仕上がります。